第2弾 ふくしまのはにわ ~原山1号墳

#あつ森で飾ろう第2弾は、福島県泉崎村にある原山1号墳から出土したはにわたち。それぞれとってもユニークな姿をしています。あつ森の世界にはにわを並べて考古学気分を満喫してみてはいかがでしょうか?

 

第2弾 ふくしまのはにわ ~原山1号墳

 

 原山1号墳は、古くからはにわを採集できる古墳として知られていました。1981年に行われた発掘調査の結果、東半分がすでに壊されていたものの、全長22m以上の前方後円墳であることが明らかになりました。古墳の周りに掘られた溝(周溝)からは、倒れ落ちた状態でたくさんのはにわが発見されました。また、出土した土器から、この古墳が5世紀末頃に造られたこともわかりました。この古墳は、県南地方を治めた有力者の墓と考えられます。

 

 

1.盾を持つ人

 高:73.5cm
 いかめしい顔つきをして盾を持っている人物です。盾は護身の防具であり、盾を持つ人のはにわを古墳と外界の境界に立てることで、寄り来る者から古墳を守ると考えられていました。原山1号墳の後円部南端で発見されており、「相撲をとる人」と2体ずつ並んでいたと推定されています。盾を持つガードマンと力士がタッグを組んで古墳を守っていたのですね。

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2.円筒埴輪

 高: 約60cm
 弥生時代に使われていた器台(器を載せる台)や壷から発展した円筒埴輪。丸い透かし穴が開いているのは器台の文様の名残と考えられます。円筒埴輪は、はにわの中では最も古いタイプのもので、3世紀後半から近畿地方の古墳に立てられるようになりました。墳丘に列にして並べられ、ここが古墳ですよーと聖域である古墳を区別する柵の役割がありました。原山1号墳からは30点以上の円筒埴輪が出土しています。

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3.朝顔形埴輪

 高: 60.6cm
 円筒埴輪の一種です。4世紀頃の古墳から口縁部が朝顔のようにラッパ状に開いた朝顔形埴輪が出現するようになりました。とはいえ朝顔を表しているものではありませんよ。死者へ捧げる食べものを入れる壺の形をした壺形埴輪と円筒埴輪とが合体したようなデザインです。壺+柵という一つで二役をこなすはにわですね。

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4.琴を弾く人

 高:47.3cm
 座って琴を演奏する人物。水玉模様のまるい帽子がとってもおしゃれです。着衣の表現は省略されていますが、首、胸、背中などに赤色を施した痕跡が残っています。手は、指が一本一本別々に作られており、左手が琴の弦をおさえ、右手は弦をつまびく様子を表現しています。一体どんな曲を弾いていたのでしょうか?

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5.踊る男子

 高:59.2cm
 右手をあげて踊っているようなしぐさをしている男子の上半身像です。頭には台形型の冠。さらに鉢巻を結んで冠を固定しているのが粋ですね。他のはにわにも見られる左右に垂れ下がったこの髪型は「みずら」という当時の青年男性の髪の結い方です。実はこの人、近年の研究では、踊っているのではなく、馬を引いている人であるということがわかってきました。馬の前に立って、手綱を引いている様子を表現しているのです。

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6.盛装の女子

 復元高:24.5cm
 台に乗った女子の上半身像。ゴージャスな首飾りと、肩まで垂れ下がった耳飾りが目を引きます。頭に板を載せるのが当時の流行?…というわけではありませんよ、巫女と考えられるこの女性は、髪をアップにした特別なヘアスタイルをしているのです。折れてしまっていますが左手を前にのばし、右手を下げて何か持っているしぐさをしています。何を持っていたのでしょうね。

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7.冠をかぶった男子

 高:58.5cm
 二又に開いた珍しい冠をかぶるこの人物。冠には格子状の文様が表現されています。髪型はおなじみのみずら、と思ったら実は後ろでも髪を束ねています(常設展示室でぜひ後ろ側も見てみてくださいね)。右手は下にのばし、左手は前方にのばして楽器と思われるものをかつぐ状態を示しています。この男子像とそっくりのはにわが、原山1号墳から180kmも離れた東京都狛江市の亀塚古墳から出土していて、同じ工人集団によって製作されたと考えられています。

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8.鳥形はにわ

 高: 約30cm
 鳥のかたちをしたはにわは、動物のはにわの中でもいち早く制作されました。この鳥形はにわはところどころ欠けてしまっていることもあってどの鳥を表しているのか悩ましいところですが、頭の上の失われた部分はトサカ、尾の付け根には鶏のオスの尾羽の装飾的な表現の痕がみられることから、他の鳥の表現もちょっと混ざったニワトリ型はにわと考えられます。

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おまけ.平澤さん

 当館の考古分野の学芸員です。2020年10月10日(土)~11月15日(日)開催の企画展「発掘された日本列島2020」の中の「地域展 ふくしま古墳発掘フロンティア」を担当しました。はにわを中心に、ふくしまの古墳時代について研究しています。企画展の解説会や考古学講座でも活躍中です。ご来館&イベントへのご参加お待ちしております!

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【使い方】

(1)スマートフォン等に「Nintendo Switch Online」アプリをダウンロードし、「タヌポータル」を開き、QRコードを読み取ります。
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(2)ゲーム内のマイデザインの画面で、保存した作品をダウンロードし、作品をお楽しみください。

 

 

★関連展示

1.常設展示「古代」

 

当館の常設展示室「古代」で、今回の#あつ森で飾ろう第2弾でご紹介した原山1号墳のはにわの実物を見ることができます。背中のほうまでじっくりご覧になってください。

会場:福島県立博物館 常設展示室
観覧料:一般・大学生 280円(20名以上の団体:220円)、高校生以下無料
※企画展観覧券で常設展もご覧いただけます(会期中有効)

 

 

2.企画展「発掘された日本列島2020」

 

当館では17年ぶりの開催となる本展。最新の遺跡発掘調査成果や日本列島各地の考古資料・記念物、また当館オリジナルの地域展「ふくしま古墳発掘フロンティア」など、考古ファン必見の内容となっています。県外の珍しいはにわも来ていますよ。ぜひご覧ください。

※詳細はこちらをご覧ください。

会期:2020年10月10日(土)~11月15日(日)
会場:福島県立博物館 企画展示室
観覧料:一般・大学生 700円(20名以上の団体:560円)、高校生以下無料