雛祭りと人形
①三島町高清水地区の流し雛 ②金山町水沼地区の流し雛
3月3日は桃の節句。華やかで楽しい雛祭りの季節です。雛祭りといえば、まず思い浮かべるのは雛人形ではないでしょうか。子どものころ、両親や祖父母に買ってもらった思い出、あるいは自分に子どもができて購入した思い出がある方も多いことと思います。
3月3日はもともと「上巳の節句」と呼ばれていました。古代中国では、この日に川で身を清め、その後に宴会をひらく習慣があったとされています。これが日本に伝わり、紙などで作ったヒトガタに罪やケガレを託して水に流す風習や、貴族の間で行われた雛遊びという人形遊びと結びつき、「流し雛」に発展していったと考えられています。
江戸時代になると、上巳の節句が幕府の公式な祝祭日である「五節句」の一つに定められます。もともと節句に男女の別はないのですが、5月5日の端午の節句が、その際に用いる菖蒲と「尚武」をかけて男子の節句とされるようになったことから、上巳の節句が女子の節句とみなされるようになっていきました。このころになると、武家や裕福な町人の間にも雛人形が広まっていき、現在のように段を組んだり豪華な飾りを伴った雛人形が登場します。その後も時代による流行や様式の変化を受けながら、雛人形は現在まで受け継がれています。
今回のポイント展では、私たちが目にする機会の多い段組の雛人形ではなく、「流し雛」を中心としたいろいろな雛人形たちをご紹介します。
開催概要 |
期 間 2021年2月26日(金)~4月14日(水)
会 場 部門展示室民俗
主 催 福島県立博物館
料 金 常設展料金でご覧になれます。
大人・大学生280円(220円) ※( )内は20名以上の団体
高校生・小中学生 無料