暑さ寒さをしのぐ道具たち


①氷冷蔵庫(館蔵)

 昭和30年(1955)頃に電気冷蔵庫が普及する以前の冷蔵庫です。箱の内側は上下二段に分かれており、上の段には氷を入れ、下の段には食べ物を入れました。冷たい空気が下におりていく性質を利用し、食品の保存に活躍しました。氷は夏になると家々に回ってくる氷屋から購入しました。

 

②こたつ

 おこした炭を入れたあんかをやぐらの中におき、上に布団やこたつがけをかけて手や足を入れ、あたたまる道具です。好きな場所に移動することが簡単にできました。現代のこたつの原型といえます。

 

  

 人は昔からさまざまな道具をつかって暮らしてきました。暮らしを便利に、より豊かにするために、道具にはいろいろな工夫がされてきました。今回のポイント展では、さほど遠くない昔、電気やガスがまだ使われていなかった頃の道具を紹介します。人々が日本独特の美しい四季それぞれに合わせて上手に道具や物を使い分け、生活をしていた時代です。夏には家じゅうを開け放って風を入れ、軒下にほおずきや野の草を飾ってみたり、風鈴をぶら下げて風の音を感じたりして、見た目や音で涼を呼びこみ暑さをしのごうとしました。また、氷冷蔵庫などの発明品もありました。冬には戸を閉めて風を防ぎ、こたつや火鉢、夜着など寒さをしのぐ工夫をして生活していました。これらの伝統的な道具や風習は、昔の日本人の豊かな感性の象徴だったと思います。展示した道具は、性能面では、電気を使う現代の道具には遠く及びませんが、先人たちの多くの知恵と工夫がほどこされた、その時々の最先端の発明品です。また、その優しい風貌の魅力は、今を生きる私たちの心も惹きつけてくれます。ぜひ、見て時の移ろいを味わってください。

 

開催概要

期 間  2021年12月22日(日)~2022年4月13日(水)

会 場  部門展示室 民俗

主 催  福島県立博物館

料 金  常設展料金でご覧になれます。

     大人・大学生280円(220円)  ※( )内は20名以上の団体

     高校生・小中学生 無料

 


関連行事

ポイント展「暑さ寒さをしのぐ道具たち」ミニ解説会 

講師 江川トヨ子(当館学芸員)
日時 2022年1月23日(日)11:00~11:30
場所 部門展示室 民俗
申込方法

 ※12月23日(木)より電話0242-28-6000または受付カウンターでお申し込みを受付けます。

定員 10名(先着順)
参加費 常設展示料金
内容 展示を担当した学芸員が分かりやすく解説します。

 

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