2022年2月の記事一覧

ラウンドテーブル「ヤベアベ学級との12月」

ポリフォニックミュージアム、今年度のアウトプットが終了しました。
1月下旬からのアウトプットを少しずつ振り返ります。
1月末からは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、予定していた形から変更をしながらの開催ともなりました。
そのような中、臨機応変に対応してくださった講師の皆さん、参加者の皆さんに、心より感謝申し上げます。
*************************
ラウンドテーブル「ヤベアベ学級との12月
~支援学校と博物館をアーティストと行ったり来たりした3週間~」
(オンライン・クローズド)
日時:令和4年2月3日(木)15時30分~17時00分
参加者:佐野美里さん(彫刻家)*テキスト参加
    大江ようさん(TEXT主催)
    中津川浩章さん(アーティスト)
   森内康博さん(映像作家)
    加藤香洋さん(福島県立会津支援学校校長)
    杉本雅昭さん(福島県立会津支援学校副校長)
    矢部翔太郎さん、阿部美由紀さん(福島県立会津支援学校教諭)
    岡部兼芳さん(はじまりの美術館長/LMN実行委員会委員)
    鈴木晶(福島県立博物館長/LMN実行委員会委員長)
*レポート担当アーティスト江畑芳さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年度実践した4つのアートワークショップのひとつ「博物館部」は、様々な方にミュージアムを楽しんでいただけるようになるためにの取り組みです。
その一環で、12月に福島県立博物館を訪れてくれた福島県立会津支援学校高等部2年4組の3人は、博物館と支援学校を3人のアーティストと行ったり来たりしながら、博物館で過ごし、支援学校で創造を楽しんでくれました。講師として3人と一緒に過ごした佐野さん、大江さん、中津川さん。中津川さんには、博物館と支援学校を行き来するという特異な条件を活かしたワークショップの枠組みを作っていただきました。そして、行ったり来たりの3週間を記録し、そこから見える大切なことを伝える映像作品を作ってくださった森内康博さん。
関係する皆さんと、会津支援学校の加藤校長先生、杉本副校長先生、高等部2年4組の担任の矢部先生、阿部先生。そして本事業に適切なアドバイスと共に伴走してくださったLMN実行委員会委員ではじまりの美術館長の岡部さん。
皆さんにご一緒いただき、事業を振り返るラウンドテーブルをクローズドで開催しました。


スタートは、森内さん制作の映像作品の初お披露目。丁寧に大事なことを捉える視線で3週間を追いかけた森内さんは、大切な気づきをたくさんくれる映像作品を作り出してくれました。
映像に多くの糸口をもらって、ディスカッションがはじまりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人が博物館で気持ちよく楽しめるように気を配り、時に心配しながら、予定調和のない3人の行動に良い意味で振り回された大人たち。
学校以外の大人と生徒たちが出会える場を大切にした支援学校の先生方の思い。外部との接続を積極的に図ろうとする学校の柔軟な解放性。
生徒が博物館の様々な要素(展示のスチールの台の穴やガラスケースのスベスベ!)を気に入り、展示品ではないモノに価値を見出す3人を新鮮な驚きとともに受け入れた博物館。
アーティストが関わることで生徒たちの創造性が引き出され、新たな表現が生まれたこと。
家でも学校でもない場所で、多くの人が障がいに出会い、知る場となれるミュージアムの可能性。
当初は、福島県立博物館に集まって行う予定だったラウンドテーブル。全員オンラインとなり、画面越しでの意見交換となりましたが、引き続き今回のような場を設けることへの応援をみなさんからいただいた、とても嬉しい時間になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LMN実行委員会委員長の福島県立博物館鈴木館長をはじめ、事業を担当したLMN実行委員会事務局の川延副館長、小林、江川学芸員は、中津川さんのワークショップで3人が描いた作品を飾らせていただいた博物館のレストランから出演しました。
森内康博さんの映像作品、ラウンドテーブルの動画は、後日、福島県立博物館の公式YouTubeで公開の予定です。
公開となりましたらぜひご覧ください。

ラウンドテーブル「開く、ミュージアム」

ポリフォニックミュージアム、今年度のアウトプットが終了しました。
1月下旬からのアウトプットを少しずつ振り返ります。
1月末からは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で
予定していた形から変更をしながらの開催ともなりました。
そのような中、臨機応変に対応してくださった講師の皆さん、
参加者の皆さんに、心より感謝申し上げます。
*************************
ラウンドテーブル「開く、ミュージアム」
日時:1月23日(日)13:30〜16:00
講師:柳沢秀行氏(大原美術館学芸統括)
   楠本智郎氏(つなぎ美術館主幹・学芸員)
   岡村幸宣氏(原爆の図丸木美術館学芸員)
ディスカッションモデレーター:川延安直(福島県立博物館副館長)
会場:福島県立博物館 講堂


大原美術館の柳沢さんからは、コロナの状況下の厳しい美術館運営、その中で改めて気づいた様々な「ステークホルダー」との関わり、様々な地域資源の結節点、露出点としての美術館の存在意義について、これまで実施してこられた様々な取り組みのご紹介とともに、お話しいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つなぎ美術館の楠本さんからは、水俣病からの地域の再生と魅力的な文化的空間の創造を目的に開館したつなぎ美術館の、地域と創り上げてきた、地域の魅力を見つけるいくつかのユニークなプロジェクトについて教えていただきました。行政との連携も大事なキーワードでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丸木美術館の岡村さんからは、丸木位里・丸木俊夫妻が描いた「原爆の図」のための美術館という美術館の特性から、多くの方の支援により運営されてきたあり方とその現在の課題と、2011年以降東日本大震災と原発事故に向き合う場としての意味を持つようになった美術館のこれからの役割ついて、お話しいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半行ったディスカッション「開く、ミュージアム」では、3人の方とモデレーターを務めた川延福島県立副館長がミュージアムを「開き続ける」こと、の難しさと大切さについて語り合いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


まだまだ議論を聞きたいぐらいだったラウンドテーブル。
オンラインと来場、それぞれの方法でご参加くださった皆様、ありがとうございました。
このようなテーマで、また皆さんと考える場を作っていきたいと思います。
本ラウンドテーブルの内容は、記録集に掲載するほか、当日の録画データを福島県立博物館の公式YouTubeで公開の予定です。
もう一度改めて見たかったという方も、気になっていたけど参加できなかったという方もぜひご覧いただければと思います。
お忙しい中、ご登壇くださった3人の講師の皆さん、ご参加の皆さん、本当にありがとうございました。
議論を次に繋げたいと思います。