2022年1月の記事一覧

アートワークショップ「白河まち歩きスゴロクを作ろう!」レポート①

2021年12月5日に行われたアートワークショップ「白河まち歩きスゴロクを作ろう!」。
当日参加したアーティストの藤城光さんにレポートしていただきました。
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2021年12月5日、白河、快晴。築90年の古民家を改装して作られたコミュニティ・カフェEMANON。ここが、今日のワークショップ「白河まち歩きスゴロクをつくろう!」の会場である。“高校生や大学生たちが自分たちで白河を歩いて、おもろいもんを見つけてくる。スマホで撮影して3枚写真をプリントアウトして、それらを組み合わせてまち歩きスゴロクを作る”というこの企画の発案者が本日の講師、作務衣にストールをかけハットを被ったいでたちの大阪人、陸奥賢(むつさとし)さん。ほんのりと暖まったカフェは、ワークショップの動画記録班・写真担当・白河市役所の職員たち・LMN事務局スタッフ勢で朝から賑わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合時間の10時頃になると、カラカラ、と音を立ててEMANONの玄関扉が開き、参加者が少しずつ集まりはじめる。参加者は、市役所職員3名を含み、いつもEMANONを利用している高校生から、郡山から来た高校生、インターンで白河にきたという大学生など10名。ぐるりとスタッフ勢に囲まれて若干緊張した面持ちの顔が並んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その緊張をほぐすかのように、陸奥さんが柔和な口調の大阪弁で話し始める。「では2チームに分かれてもらいますので、じゃんけんで決めまひょか。ぐーぱ!」。かわいい声かけでジャンケンが始まった。途端に小学生のような表情になる参加者たち。そこからもう陸奥ワールドは始まっている。「ぐーちーむ、ぱーちーむ」とこれまた和むネーミングを陸奥さんに与えられ、子供心をヒョイっと引き出された参加者たちの顔が段々と変わっていく。「これから白河のまちを歩いてもらいます。自分が気になったもの、こんなんみつけました、いうもの、スマホで写真にとって送ってもらえれば、こちらでプリントアウトしますんで。大体1時間以内くらいで戻ってきてください」。説明の間に配布されたカードには、大きいQRコードがついている。まち歩きに必要なものはスマホのみ。参加者たちは上着を着込み、カフェの外に出た。ぐーちーむは右へ、ぱーちーむは左へと分けられ、陸奥さんに見送られながら、参加者だけでのまち歩きがスタートしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途端に戸惑う記録班!右か?左か?誰を追いかける?大きな機材を抱えながらあっちへこっちへと走り始める動画班。そんな焦りをよそに、ぱーちーむはいったん輪を作り、自己紹介タイムに。白河の高校生、郡山から来た高校生、同じ活動をする大学生、徳島からEMANONにインターンに来た大学生、今年新人で白河市役所に入った市役所職員。記録班がキョロキョロする中で、お互いの顔と名前を確認すると、結構マイペースにそれぞれの道を歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(テキスト 藤城光)

アートワークショップ「博物館部」レポート⑪

アートワークショップ「博物館部」実施に向けてのあれやこれやを、テキストとイラストでお届けします。
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2021.11.12
今日は前回見学してもらった「令和3年度 福島県立博物館 秋の企画展 ふくしま 藁の文化~わらって、すげぇんだがら~」のふり返りを生徒さんたちにしてもらいます。展示されていたものの画像をプロジェクターで映しながら、展示の担当学芸員大里さんがお話します。展示作業の裏話をしたり、雪踏み俵や草鞋などを持ち込んで実際に触ってもらったりしました。ゆっくり見てまわった展示、少し時間をおいて思い出すと違う感じがするものです。
(テキスト・イラスト 江畑芳)

アートワークショップ「博物館部」レポート⑩

【アートワークショップ「博物館部」レポート⑩】
アートワークショップ「博物館部」実施に向けてのあれやこれやを、テキストとイラストでお届けします。
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2021.11.10
今日は事前学習で学んできた「令和3年度 福島県立博物館 秋の企画展 ふくしま 藁の文化~わらって、すげぇんだがら~」を鑑賞してもらいます。西澤真樹子さんの進行で、福島県立博物館の学芸員さんたちが対話型鑑賞に初挑戦します。学芸員さんたちは、これまでは「自分の準備した展覧会を説明」してきたのです。対話型鑑賞の秘訣は相手の発話を促すこと。こちらが話しかけるばかりでは相手の話す時間がなくなってしまいます。どんな問いかけをすると話してくれるか、展示されたものと生徒さんたちの顔を交互に見ながら頭をフル回転させていました。
(テキスト・イラスト 江畑芳)

アートワークショップ「博物館部」レポート⑨

アートワークショップ「博物館部」実施に向けてのあれやこれやを、テキストとイラストでお届けします。
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2021.11.9
支援学校の教室にお邪魔して、先生に生徒さんたちのいつもの様子を伺いました。どんなことが得意か、どんなことが苦手か。伺ったことを持ち帰り、博物館と一緒にどんなプログラムができるかを考えます。
「学校ではどうしても社会の中に馴染むために学ぶことが多いけれど、そういうことから離れた経験をできるのも今しかない。芸術や表現するという、学校教育ではなかなかできないことに触れさせてあげたい。」という先生のお気持ちを聞くことができました。
(テキスト・イラスト 江畑芳)

アートワークショップ「博物館部」レポート⑧

アートワークショップ「博物館部」実施に向けてのあれやこれやを、テキストとイラストでお届けします。
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2021.11.4
博物館をより開かれた場所にしたい博物館部。対話型鑑賞を取り入れようということで、そのコツを伊藤達矢さんにオンラインレクチャーしていただきました。聞き手は、ある教室のご担当者さんと、学芸員さんたちです。
「手には何も持っていない方が見ることに集中できます」「一人くらい展示室から飛び出しちゃう子がいても無理に連れ戻さないで、ついていけるようにスタッフの方に余裕を持たせておけるといいです」といった具体的な説明に、当日のイメージを持つことができました。
(テキスト・イラスト 江畑芳)

アートワークショップ「博物館部」レポート⑦

アートワークショップ「博物館部」実施に向けてのあれやこれやを、テキストとイラストでお届けします。
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2021.11.1
岡山リサーチ最終日は、昨日に引き続き大原美術館学芸統括・柳沢秀行さんにご案内いただき、幼稚園・保育園の園児たちが美術館で作品鑑賞などをする「未就学児童対象プログラム」を見学しました。
この前々日に訪れた生活介護事業所 「ぬかつくるとこ」のプロジェクトにも協力している柳沢さん。美術の専門家が福祉に携わったきっかけを聞いてみました。
「学生の頃、論文で福祉について書いたけど、なぜそうしたのか自分でもわからない。でも長くやってきて思うのは、わからなくていいということ。きっかけなんかなくても、誰もが”自分ごと”にしていいんだと思う。」
自分と違うひとについて考えることは“出すぎたこと”になってしまうんじゃないかと不安になり、その不安を言い訳に逃げてしまいがち。そうした心配を軽くしてくれた柳沢さんの言葉でした。
(テキスト・イラスト 江畑芳)

アートワークショップ「博物館部」レポート⑥

アートワークショップ「博物館部」実施に向けてのあれやこれやを、テキストとイラストでお届けします。
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2021.10.31
岡山リサーチ2日目は、柴川敏之さんご家族に会いにいきました。現代美術家である柴川さんと、E S D(持続可能な開発のための教育)・社会教育の研究者でもある奥様の弘子さん。お二人が携わられ、熊本県津奈木町のつなぎ美術館で開催した展覧会『ぼくのおくさん★柴川敏之展|PLANET HOME』を中心にお話していただきました。
「狐に化かされた話を真剣にしたら怪しい研究者だと思われてしまうんでしょうけど、それでもやる意義があると思ったんです。」
弘子さんの言葉です。社会教育研究者でありながら、ゲストキュレーターとして展覧会の実現に携わられました。
「普通」からはみ出すことを繰り返して、世界はやわらかさを手に入れていくのかもしれません。
午後は大原美術館新児島館(仮称)にお邪魔して、大原美術館が積極的に行ってきた教育普及活動について学芸統括・柳沢秀行さんにお話を伺いました。
(テキスト・イラスト 江畑芳)

アートワークショップ「博物館部」レポート⑤

アートワークショップ「博物館部」実施に向けてのあれやこれやを、テキストとイラストでお届けします。
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2021.10.30
どんなふうにしたら「みんなが来てくれる博物館になれるか」を探して岡山まで賢者に会いに行った博物館部。
リサーチ1日目は、生活介護事業所 「ぬかつくるとこ」の中野さんにお話を伺いました。生活のケアを柱として、アートを活用した自分らしい生活をおくることのできる福祉事業所を運営されています。
事業所に通うある方は、自分の納得がいくまで黄色いガムテープを何重にも何重にも貼り重ねていきます。ぬかのスタッフさんは、彼が納得するまでひたすらガムテープを供給します。そうしてできあがるずっしりと重みのある何かを、ときどき人が「オブジェ」と呼んだりします。
「その人のどこでスイッチが入るかわからないから、自分たちはいつでも柔らかく動けるように準備しておく。スイッチが押されるとすごくおもしろいことが起こるから、それを見極めることが求められます。」
(テキスト・イラスト 江畑芳)

アートワークショップ「博物館部」レポート④

アートワークショップ「博物館部」実施に向けてのあれやこれやを、テキストとイラストでお届けします。
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2021.10.29
この日は、ある教室の生徒さんたちに博物館に来てもらうための事前学習をしました。
旅行をする時、目的地に何があるのか調べたり、どのお店がおいしいのか比べるのは楽しいものです。博物館見学でも、事前に展示について知り、自分で調べることで興味を深めてから本番に臨むことが、当日の見学をより楽しくする秘訣なのです。
今回、博物館部では、生徒さんたちが博物館見学で見つけたものを記録できるようにスケッチブックを用意しました。これに、別に印刷しておいた博物館についての説明や見学の注意事項、今回見学してもらう福島県立博物館 秋の企画展「ふくしま 藁の文化~わらって、すげぇんだがら~」のチラシを切り貼りして自分専用の「博物館調査手帳」を作ってもらいました。(テキスト・イラスト 江畑芳)