総合展示室
原始 (旧石器時代~弥生時代)
 福島県に人類が住み始めた旧石器時代から、米作りを始めた弥生時代までを扱っています。旧石器時代、縄文時代、弥生時代の人々の生活の違いを、近年の発掘調査の成果や当時の人々の用いた道具類を中心に展示しています。
 今から2000年以上前の暮らしを振り返ってみると、今とは大きく異なる点がありますが、一方では現在まで引き継がれている面があることにも気がつきます。
古代 (古墳時代~平安時代)
 4世紀には東北地方でも新しい土器(土師器)が普及し、やがて古墳が築かれるようになり、古墳時代が始まります。
 大化の改新後、すべての人々と土地が公のものとされ、東北地方南部でも7世紀の末には関和久遺跡(せきわぐいせき)などの役所が造られ、律令国家に組み込まれていたことがわかります。平安時代になると慧日寺(えにちじ)や勝常寺(しょうじょうじ)など仏教寺院が活動するようになります。
 中世(鎌倉時代~戦国時代)
 中世(12世紀末から16世紀末)は、武士の活躍した時代です。源頼朝の率いる軍勢が、奥州藤原氏を攻めた阿津賀志山の合戦をはじめ、南朝・北朝方に分かれての争い、群雄割拠する戦国争乱のようすなどを紹介します。
 また懸仏(かけぼとけ)や板碑(いたび)などから、中世のひとびとの神仏に対する信仰がわかり、城館跡から出土した陶磁器の食器や茶道具などから、当時の生活のようすを知ることができます。
近世 (江戸時代)
 江戸幕府のもと、近世の県内には30ほどの藩や分領があり、なかにはたびたび領主がかわった藩もありました。次第に幕藩体制が安定するにつれ、街道や海路が整備され、人や物資の行き来が盛んになりました。城下町などには商人や職人が集まり、祭礼や市の日には多くの人でにぎわいました。
 武士や力のある商人・百姓の間では、学問や文芸が広まりました。千歯扱(せんばこ)きや唐箕(とうみ)などの農具の出現により農業技術も飛躍的に進展しました。
近・現代 (明治時代~昭和)
 明治維新から昭和20年の敗戦と戦後の復興までを取り上げています。アームストロング砲(復元模型)や水力発電所で使用された水車、出征兵士を送る幟旗、ボンネット型の木炭バス(復元)が目を引きます。
 戊辰戦争、自由民権運動で活躍した本県人、福島県の成立の様子、安積開拓事業、庶民の生活、輸出産業としての養蚕・製糸・絹織物、15年戦争下の生活、戦後の生活、変わりゆく社会を展示で表しています。
自然と人間
 本県は東北地方の南端に位置し、広大な面積を占めています。県土は、南北に連なる阿武隈山地と奥羽山脈にへだてられた3つの地域からなり、それぞれ異なった気候風土をもっています。また、本県は、水・農産・鉱産・林産・観光などの資源に恵まれています。
 このような自然の中で、人びとは、洪水や火山爆発などの災害をのりこえながら、創意と工夫を重ねて、豊かな資源を開発・利用してきました。