ポリフォニックミュージアム(ライフミュージアムネットワーク実行委員会)

令和3年度地域と共働した博物館創造活動支援事業

ポリフォニックミュージアム

 


ライフミュージアムネットワーク実行委員会はこれまで培ってきたネットワークを基盤として、令和3年度より新たにポリフォニックミュージアムを立ち上げました。

福島県立博物館がプラットフォームとなり、地域ミュージアムや文化スペースと協働することで、
県内各地のミュージアムに社会的課題に向き合うための拠点を設け、活動を拡張します。
それらの拠点は多様性・循環型社会などのキーワードによって結ばれることで、さまざまなミュージアムの星座を描き出すでしょう。

これはICOM京都大会で提案された「過去と未来についての批判的な対話のための民主化を促す包摂的で様々な声に耳を傾ける空間(ポリフォニックスペース)」を各地に創出するための福島県立博物館の試みでもあります。

 具体的には、福島県内の地域ミュージアムや文化スペースと連携・相互支援を行い、アーティストや研究者などから外部の多様で新たな思考方法を取り入れ、高校生などの将来世代を含む多世代と協働することで、ミュージアムの基本機能の強化と新たな活用を図ります。
各地域固有の歴史文化の再認識・再発見と、そこから立ち上がる課題への向き合い方の考察、その先にある未来像の創出を通して、ミュージアム的な場を多様に展開することにより、持続可能な地域社会への貢献を目指します。


事業概要は こちら (PDF形式)

 


ライフミュージアムネットワーク2018₋2020の事業趣旨・概要

お知らせ

ラウンドテーブル「開く、ミュージアム」開催のお知らせ

2021年12月19日 10時10分

ラウンドテーブル「開く、ミュージアム」

ポリフォニックミュージアムの今年度の活動の総まとめとして、
地域や人々との連携により館の運営を実現している先進的な事例をお聞きしながら、
ミュージアムの開き方について来場のみなさんとも意見を交える場としたいと思います。
ぜひご参加ください。

日時:2022年1月23日(日)13:30~16:00
会場:福島県立博物館講堂

講師:柳沢秀行氏(大原美術館学芸統括)
   楠本智郎氏(つなぎ美術館主幹・学芸員)
   岡村幸宣氏(原爆の図丸木美術館学芸員)
ディスカッションモデレーター:川延安直(福島県立博物館副館長)

申込:来場参加は不要(定員100名)
   オンライン参加は要申込(定員50名)

※オンライン参加ご希望の方は、メール(general-museum@fcs.ed.jp)かお電話(0242₋28₋6000)にて、①参加者氏名、②電話番号、③e-mailアドレスをお知らせの上、お申込ください。

 

詳しくはチラシをご覧ください。

 

「10年間ふるさとなみえ博物館」巡回展示 あくあぴあ芥川

2021年10月24日 17時48分

ライフミュージアムネットワーク2021協力事業
「10年間ふるさとなみえ博物館」巡回展示開催!


昨年度、ライフミュージアムネットワークのプログラム開発でお世話になり、
その開館に関わらせていただいた浪江町立津島小学校(当時)による「10年間ふるさとなみえ博物館」が、
関西の博物館・大学等で行う巡回展において展示公開されることとなりました。


津島小学校最後の卒業生にして初代館長の須藤嘉人君が、津島小学校の先生たちと作った、2011年から2021年までの避難先での浪江町立浪江小学校・津島小学校のふるさとを学ぶ活動を伝える博物館を、関西の6つのミュージアムでご覧いただけます。


明日から開幕のあくあぴあ芥川での展示の画像を送っていただきました。


できるだけ、津島小学校での展示に近づけるよう
担当してくださった皆さんで考え、工夫してくださったのだそうです。
須藤館長が浪江町の皆さん、先生たちと作った博物館の看板が入り口に!
須藤館長の先輩たちが、故郷の浪江町を詠んで描いたカルタがケースに!
須藤館長の「博物館の使命」も、先輩たちと作った年表も新聞も壁に貼られています。
浪江小学校・津島小学校や浪江町の皆さんが作った大堀相馬焼もケースに!
お近くの皆さま、ぜひお出かけください。

「10年間ふるさとなみえ博物館」巡回展示

2021年10月24日 17時36分

ライフミュージアムネットワーク2020プログラム開発「地域のアイデンティティと文化資源」では、浪江町立浪江小学校・津島小学校が2011年に避難先である二本松市に避難してから行ってきた「ふるさとなみえ科」について伝える「博物館」づくりのお手伝いをしました。


津島小学校最後の小学生、そして館長の須藤嘉人君と作り上げたのが「10年間ふるさとなみえ博物館」


骨格となる10年間の活動年表、浪江町のことを調べてまとめた壁新聞、児童や保護者のみなさんが製作した大堀相馬焼。館長直筆「博物館の使命」、展示資料のカードも館長みずから作成しました。
最後の卒業生須藤君が旅立ち、同校も長い歴史を閉じました。


この度、関西のミュージアム有志が「10年間ふるさとなみえ博物館」に共感し巡回展を企画してくださいました。
まずは高槻市立自然博物館あくあぴあ芥川さんからスタートです。
関西圏のみなさん、お近くに伺いましたらぜひご覧ください。

チラシはこちら


 

 
 

LMN2020記録集配布のお知らせ

2021年4月6日 18時50分

ライフミュージアムネットワーク2020年度の活動をまとめた記録集を作成しました。

今年度は、各地でのリサーチ、ディスカッション、フォーラムで語られた言葉の記録とともに、奥会津をめぐるスタディツアーの記録、新たなミュージアム活動のモデルとなるプログラム開発の記録を加えた5冊セットの記録集となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの方にお読みいただきたく、限定200セット(先着順、なくなり次第終了)をご希望の方にお配りいたします。
福島県立博物館受付カウンターでお声がけくださるか、お電話かメールで送付のご希望をご連絡ください。
送付ご希望の方は、大変申し訳ありませんが宅急便着払い送料をご負担くださいますようお願いいたします。
送付ご希望の方は下記をお伝えください。
(*は必須)

 

1*:氏名

2*:郵便番号と住所

3*:電話番号

4:メールアドレス

5*:希望セット数(2セットまで)

6:ライフミュージアムネットワークをお知りになったきっかけや、記録集をお申込になった目的を教えてください。

 

【申込先】

TEL 0242-28₋6000(福島県立博物館代表)

E-MAIL general-museum@fcs.ed.jp(福島県立博物館代表)

LMN実行委員会事務局:塚本麻衣子

 

【記録集内容】※5冊セットでの送付となります。

⓵ライフミュージアムネットワーク2020活動記録集

②ライフミュージアムネットワーク2020奥会津スタディツアー記録集

 「奥会津のミュージアムを巡る」

③ライフミュージアムネットワーク2020プログラム開発「多様なニーズに応えるミュージアムの利活用プログラム」記録集

 「ミュージアムを届ける」

④ライフミュージアムネットワーク2020プログラム開発「地域資源の活用による地域アイデンティティの再興プログラム」記

    録集「大堀からの10年」

⑤ライフミュージアムネットワーク2020プログラム開発「生活資料を活用したミュージアムの連携プログラム」記録集

 「みんなで比べてみよう奥会津の民具キット」

 

【着払い送料の目安(1セット)】

北海道:1260円

東北・関東:930円

北陸:1040円

関西:1150円

九州・沖縄:1590円

フォーラム オンライン参加受付のお知らせ

2021年1月16日 14時31分

1月24日(日)に開催するフォーラム「地の記憶を苗床に
空知・舞鶴・島ヶ原に学ぶ「ミュージアム的」なこと」について、
会場へお運びいただく形に加え、
オンライン(ZOOM)でもご参加いただけるようにいたしました。

オンラインでご参加ご希望の方はメールにてお申込ください。
(※すでにお申込いただき、事務局からご連絡させていただいた方は不要です)

皆様のご参加お待ちしております。

オンライン参加定員:50名(申込・先着順)
参加費:無料


【お申込方法】
ライフミュージアムネットワーク実行委員会事務局
e-mail general-museum@fcs.ed.jp
①お名前、②電話番号、③メールアドレスをお知らせください。

フォーラムの内容詳細についてはこちら

活動報告

白河アートワークショップ 陸奥賢さんレポート

2021年11月12日 16時09分

白河アートワークショップを担当してくださっている陸奥賢さんの白河リサーチレポートです。


街歩きの賢者はさすがの眼力をお持ちです。
数日の街歩きで見事に地域の特徴を掴み、そこから導きだされた白河とそこに暮らす人々への温かいエールでもあります。
いただいた白河への視点を高校生や若い世代に伝える手法をこれから考えていきます。
陸奥さん、ありがとうございました。
引き続きよろしくお願いします。


≪陸奥賢さんによる白河レポート≫
白河で、まず気になったのは寺院の多様性。天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、曹洞宗、臨済宗に黄檗宗、時宗の寺院まであると聞いて驚く。
その理由としては、白河は、江戸時代、7家21代もの藩主の入れ替わりがあり、それに伴って藩主の檀家寺が移設され、それが多彩な寺院の集積に繋がっているという。白河は奥州街道沿いにあり、東北と関東を結ぶ重要な拠点となる。そこに大藩を置いて勢力を保持されることは幕府からするとあまり望ましいことではなかったのだろう。結果として、藩主を次々と変える戦略がとられて、その結果、ポリフォニックな宗教都市ができ上ったように思う。
宗旨・宗派の違いは、現代人にはそれほど強く意識されないが、江戸時代の人にとってみれば、宗旨や宗派には、かなり強い帰属意識やアイデンティがあったと思われる。「門徒もの知らず」「法華骨なし」「禅宗銭なし」「浄土情なし」といった他宗を揶揄する言葉があるが、地域によっては、宗旨・宗派の違いによって深刻な対立や分断などもあった。白河は、しかし、宗旨・宗派の違いなどを柔軟に受け止め、「いろんな宗教があっていい」という涵養の精神が培われたのではないだろうか。この手の自分とは違う背景、バックボーンを持つ人間=他者への寛容性が白河にはあったように思うし、これが白河の戊辰戦争時の東軍、西軍問わず戦死者を供養した…という「仁」の精神の拠り所になったのかも知れない。


次々と藩主が変わった都市といえば、浜松などがある。クリエイティブサポートレッツの仕事などで、何度か訪れているが、ここも東海道沿いで、戦略上、重要な拠点であり、江戸時代は大藩が置かれなかった。それで、浜松気質を表す言葉として「やらまいか」という方言があった。藩主(お上)が次々と変わるので、あてにならない。だから自分たち町衆でなんでもやっていこうという気概があり、それを「やらまいか」(やってみようではないか)精神というらしい。じつは、この「やらまいか」に似た精神性が白河にもあるのではないか?と推測している。今回の白河訪問では博物館、ミュージアム関係者が多く、あまり町衆(市民、住民)との接点は多くなかったが、コミュニティカフェ「EMANON」のみなさんには、そういう逞しいスピリッツを感じた。高校生たちで企画し、取材し、執筆し、編集しているというフリーぺーパーの存在やクラファンやDIYによるゲストハウス運営などを、その証左として挙げておきたい。


戊辰戦争はあったが、太平洋戦争などの空襲はなく、戦後のモータリゼーションの影響(主要道路、バイパスなどは白河郊外にひかれた)もそれほど受けなかったのが、白河の都市の面白さと可能性で、「通り五町」などは城下町時代の面影を色濃く残している。じつは城と町のあいだに国鉄(JR)が引かれ、それによって城(とくに会津町武家屋敷などは、ほぼ崩壊していて見事なまでに何も残っていない。残す気がなかったのか?この武家屋敷への無関心さにも町衆の自立性・自主性を感じる)と町が分断されているが(駅の北に城があり、南に町があり、この分断構造もちょっと面白い)、江戸時代の町割(通り五町)は、ほぼ、そのまま維持されているのが素晴らしい。それが白河をヒューマンスケールな都市にしているし、「歩ける都市」にしている。この「人間味」「温かみ」のようなものは、もっと注目されていいと思われる。
「だるま市」「提灯まつり」といった祭礼もあり、これも非常に気になっている。できれば、こうした祭礼の時期の白河もぜひとも訪問して見てみたい。祭礼をみれば、町衆がわかるし、都市がわかるものだから。


まだ十分に白河の調査はできていないが、ファーストコンタクトの印象としては、「まち歩きのまち」としてのポテンシャルは高く、いろんなまち歩きが仕掛けられるのではないか?と予感している。


2021年9月25日 陸奥 賢