金山町三條のヤマサキ巻物

巻物(大)-12 巻物(大)-6

巻物(小)-8

只見町や金山町をはじめとする奥会津地域では、大工や屋根葺き、林業に関わる人など色々な職人が、
自分たちの技術を巻物という形で後世に伝えてきました。これらは「職人巻物」と呼ばれ、その職業の
由来や独自の技術などを伝えており、一種の免許状・許可証としても機能していました。

今回ご紹介するのは、「ヤマサキ」と呼ばれる山の神を祀る家(人)に伝えられた巻物です。集落の中で
山の神に関わる祭りや儀礼を取り仕切る役割を持つと同時に、自ら狩猟を行う者でもあり、狩りに関する
技術を伝えたり儀礼を行ったりもしていました。

この巻物は金山町三條(三条)という集落に伝わっていたものです。大小1つずつで、大きい巻物には
狩猟に関する儀礼などが、
小さい巻物には狩猟に携わる人の由来が記されています。最後の持ち主は
栗田清蔵さんという方で、昭和40年頃にお亡くなりになったそうです。この三條集落自体も、昭和の終わり
頃までには住む人がいなくなってしまったようです。
なお、三條集落は一般には「三条」と記すことが多いのですが、実際に集落に居住していた方との話の
中で「本当は三條と記す」という話が出たため、こちらの標記を使用しています。


開催概要

期間  令和7年8月9日(土)~令和7年8月31日(日)
会場  総合展示室 近世
主催  福島県立博物館
料金  常設展料金でご覧になれます
    一般・大学生:400円(320円)※( )内は20名以上の団体
    高校生以下:無料