写真展 福島、東北 写真家たちが捉えた風土/震災

 

 東日本大震災ではこれまでの災害とは異なるさまざまな対応が見られました。その一つが膨大な画像が残され、それらが広く拡散されたことです。阪神淡路大震災の頃にはまだ普及していなかった、スマートフォンやSNSがこの現象の基底にあるのは言うまでもありません。また、被害状況を記録し伝える報道写真の精度も上がり、被災地に向き合った写真家の中からは被災の現状を超えて、被災地の歴史文化、人々の生活、さらには命のつながりを見つめるすぐれた作品が残されました。
震災からまもなく12年。風化、忘却が確実に進行する中、それでも震災体験から得た思考、感覚を磨き続け永遠に残る作品が生み出されています。
本展では、震災直後から現在も福島を拠点に福島を見つめ続け、普遍的な作品を精力的に制作し、近年高い評価を得ている3人の写真家、岩根愛、岩波友紀、村越としや各氏の作品をご紹介します。

 

                                     ①岩根愛 A NEW REVER  ②岩波友紀 紡ぎ音 #078請戸の田植踊  ③村越としや 2016年 福島県須賀川市

 

また、震災後、被災状況ではなく、東北の魅力、特徴を広く世界に紹介する展覧会が国際交流基金によって行われました。2012年春から始まった世界各地での巡回展は、2014年の福島県立博物館、遠野市立博物館での一時里帰り展を挟んで43か国74会場を巡回、2021年国際交流基金のご厚意により10作家123点の作品が福島県立博物館に寄贈されました。これらの作品は多面的な東北をテーマにしているとともに、日本を代表する写真作品の優れたコレクションでもあります。2014年以来久しぶりにその一部をご覧いただきます。
福島県立博物館では、震災遺産の収集をはじめ、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を伝え、その後の復興を支援する活動を続けています。本展もその一環として、みなさまに福島、東北の魅力と歴史をお伝えしたいと思います。

国際交流基金寄贈写真から:千葉禎介、小島一郎、芳賀日出男、内藤正敏、大島洋、林明輝、田附勝、仙台コレクション、津田直、畠山直哉

 

 

         ④千葉禎介 春さん 大雄村  ⑤畠山直哉 気仙川 2003年8月23日  ⑥林明輝 ブナの森の緑の映り込み
         ⑦津田直 夜ノ森駅、福島 フィールドノート(縄文遺跡・男鹿半島・夜ノ森)  ⑧大島洋 《幸運の町》小岩井農場
         ⑨田附勝 [鹿撃たれる]岩手県釜石市2009年11月  ⑩芳賀日出男 羽山ごもりの「田植え」行事 福島県福島市松川町
         ⑪内藤正敏 御沢仏・梵天帝釈両部大日大霊権現(大日坊)  ⑫小島一郎 つがる市稲垣付近
         ⑬仙台コレクション 道 Sendai Collection Vol.1

チラシはこちら

 

 開催概要

 期間   令和5年1月21日(土)~3月19日(日)

 会場   福島県立博物館 企画展示室

 料金   一般・大学生 800円(20名以上の団体:640円)、高校生以下無料 

 休館日    毎週月曜日、2月24日(金)

開館時間  9:30~17:00(入場は16:30まで)

 主催   福島県立博物館

 協力   KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭、東京都写真美術館、入江泰吉記念奈良市写真美術館

 

関連行事 

※いずれも電話(0242-28-6000)かメール(general-museum@fcs.ed.jp)、受付カウンターでお申込みください。メールでお申込みの際は、①イベント名、②参加者氏名、③電話番号をご記入の上、お送りください。 

※新型コロナウイルスの感染拡大状況により、予定が変更になる場合があります。予めご了承ください。
※ご参加の際はマスクの着用にご協力ください。当日体調に不安がある場合は参加をご遠慮ください。

アーティストトーク 「3人が捉えた福島/震災」
日時 1月21日(土)13:30~14:30
会場 福島県立博物館 企画展示室
講師 岩根愛氏(写真家)、岩波友紀氏(写真家)、村越としや氏(写真家)
申込 要申込 ※12/21申込受付
定員 20名(先着順)
参加費 要企画展チケットまたは年間パスポート
内容

それぞれの方法、表現で2011年以降の福島に関わり続けている3人の写真家。その思いを写真家自身にお話しいただきます。

 

学芸員による展示解説会 「写真展 福島、東北」
日時 2月25日(土)13:30~15:00
会場 福島県立博物館 体験学習室
講師 小林めぐみ(当館学芸員)、川延安直(当館専門員)
申込 要申込 ※1/25申込受付
定員等 30名(先着順)
参加費 無料
内容 国際交流基金から寄贈された写真作品、福島で活動を続ける3人の写真家とその作品について学芸員が解説します。

 

アーティストトーク「私の場合」
日時 3月12日(日)13:30~15:00
会場 福島県立博物館 体験学習室
講師 畠山直哉氏(写真家)
申込 要申込 ※2/12より申込受付 定員となり申込受付を終了しました
定員 30名(先着順)
参加費 無料
内容 国際交流基金より寄贈された「写真展 東北」の9人1組の写真家の一人、畠山直哉さんに近年の活動、故郷・陸前高田のことなどをお聞きします。

  

    

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