福島県近代医学教育150年記念 人物シリーズ①松平容大と種痘

松平容大の種痘が記録された『維新雑誌』五(当館蔵)

 古来より人々は感染症に悩まされてきました。江戸時代、会津藩でも天然痘(疱瘡)の流行が見られ、8代藩主松平容敬の娘・敏姫(9代藩主松平容保の正室)も罹患しています。

 会津藩領内での種痘は、安政4年(1857)の疱瘡流行時、長崎遊学で西洋医学や牛痘種痘の知識を得た吉村二洲らによって行われた例が知られています。

 今回ご紹介するのは、会津藩主家の乳児に行われた種痘の記録です。会津戊辰戦争が終わり、藩主から家臣までが東京や越後高田(上越市)で謹慎生活を送る中、若松城下の御薬園で若君(松平慶三郎、後の容大)が誕生しました。明治2年(1869)6月3日のことでした。容大は同年10月28日、御側医頭取古川春英により左右の腕に種痘をうけます。

 会津藩の小姓・浅羽忠之助が記した『維新雑誌』には、従来の医学から西洋医学へと移り変わる過渡期に起きた医師間の軋轢、生後半年に満たない乳児であった容大に行われた種痘とその経過などが記されており、貴重な記録です。

  

開催概要

期 間  2022年4月29日(金・祝)~ 6月30日(木)

会 場  総合展示室 近・現代

主 催  福島県立博物館

料 金  常設展料金でご覧になれます。

     大人・大学生280円(220円)  ※( )内は20名以上の団体

     高校生・小中学生 無料

 


関連行事

ポイント展「松平容大と種痘」ミニ解説会

講師 阿部綾子(当館学芸員)
日時 2022年5月29日(日)11:00~11:30
場所 講堂
申込 不要
定員 100名(先着順)
参加費 無料
内容 展示を担当した学芸員が分かりやすく解説します。

 

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