ふくしまの蕨手刀

 

ふくしまの蕨手刀

 

「蕨手刀」は、柄の尖端が丸く湾曲し、芽を出したワラビの姿に似ていることから名づけられた古代の鉄刀です。刃と柄が一体となった共造りであることも特徴の一つです。その存在は江戸時代には知られており、松平定信が編纂させた『集古十種』に記載されたものや、「鬼婆の包丁」として伝えられたものもあります。

現在知られている蕨手刀は7世紀後半~9世紀にかけての東北地方や群馬・長野県の遺跡から出土することが多く、かねて「蝦夷の刀」として紹介されてきました。ですが、近年の研究では異なる実態が見えてきています。とくに福島県域で発見された蕨手刀は7世紀後半~8世紀に比定されるものが多く、古代における東北経営と深く結びついている様子が伺われます。

当館では、旧梁川町在住の故丹野狄仙(栄七)氏が生前にコレクションした資料として、南相馬市鹿島区南海老出土資料、伊達市梁川町寺山出土資料の2口が寄贈されており、このほど保存処理が完了いたしました。これらの公開にあわせて、大木戸6号墳出土資料(国見町教育委員会所蔵)、観音山北横穴出土資料(福島県文化財センター白河館所蔵)をご紹介するとともに、福島県文化財センター白河館において当時の姿を復元製作した蕨手刀をあわせて展示いたします。 

 

 

開催概要

期 間  2023年2月11日(土)~2023年3月19日(日)

会 場  総合展示室 古代

主 催  福島県立博物館

料 金  常設展料金でご覧になれます。

     大人・大学生280円(220円)  ※( )内は20名以上の団体

     高校生・小中学生 無料


関連行事

ポイント展「ふくしまの蕨手刀」ミニ解説会 

講師 山本俊(当館学芸員)
日時 2023年2月18日(日)11:00~11:30
場所 講堂
申込 不要
定員 200名(先着順)
参加費 無料
内容 展示を担当した学芸員が分かりやすく解説します。

 

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