①「調査で発見された会津だるま」(柳津町、個人蔵)
②「調査で発見された会津だるま」(会津坂下町、個人蔵)
③「復元制作された会津だるま」
④会津だるまの3D計測
⑤3Dプリンタによる会津だるま木型(樹脂型)の製作
⑥復元製作(絵付け)の様子
みなさんは「会津だるま」をご存知でしょうか?福島県内では白河だるまや三春だるまなどが有名ですが、会津若松を中心として会津地方にも張り子の伝統があり、「会津だるま」と呼ばれるだるまが作られていました。体が少し細長く、胴には宝珠を抱いています。また、多くは黒目が入った状態で売られていました。これは家内に悪いものが寄り付かないように、「睨みをきかせる」ためだとされています。会津では初市の時にこのだるまが売られ、サイノカミの行事で家内安全と無病息災を祈って焚き上げるのが習わしだったようです。
しかし年々製作者が少なくなり、現在ではこのだるまを作る人もいなくなってしまいました。初市でも平成20年前後までは売られていたようですが、すでにその頃には新しいものはほとんど作られていなかったようです。
そこで福島県立博物館では福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターと協力し、福島県の地域創生総合支援事業の一つとして、手仕事による張り子での会津だるまを復活させる取り組みを行いました。
県内に遺る様々な会津だるまを調査し、福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターがデジタル計測をすることで3Dプリンターによる張り子型を製作しました。その型を使用して、市内民芸品店の協力をいただき、張り子による会津だるまを復活させました。
しかし、会津だるまについてはまだまだわからないことが数多く残されています。みなさんのご家庭に会津だるまが残されていたら、あるいは売っていたのを覚えている・作っていた人を知っているという方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報をお寄せください!
忘れられつつある会津の民芸品をみなさまに改めて知っていただき、今後の保存と発展につなげるきっかけになればと考えております。
開催概要 |
期 間 2021年4月16日(金)~ 8月18日(水)
会 場 常設展部門展示室 民俗
主 催 福島県立博物館
料 金 常設展料金でご覧になれます。
大人・大学生280円(220円) ※( )内は20名以上の団体
高校生・小中学生 無料
関連行事 |
ポイント展「復活!会津だるま」ミニ解説会
講師 | 大里正樹(当館学芸員) |
日時 | 2021年5月16日(日)11:00~11:30 ※7月18日(日)11:00~11:30 へ延期となりました。 |
場所 | 常設展部門展示室 民俗 ※講堂 |
申込方法 |
1ヶ月前〔4月16日(金)〕より募集を開始します。定員になり次第受付を終了します。 当館受付カウンターまたは電話(0242-28-6000)でお申し込み下さい。 ※申込は不要となります。 |
定員 | 10名 ※100名(先着順) |
参加費 | 有料(常設展料金) ※無料 |
内容 | 復元制作を担当した学芸員が解説します。 |