文芸を好んだ会津の戦国武将・蘆名盛氏

①「三喜斎秘法伝授」簗田家文書(福島県重要文化財)のうち 個人蔵・当館寄託
 蘆名盛氏(止々斎)が、医師の田代三喜斎の秘伝の薬の調合法を伝授されたことを示すもの。

②「北条氏繁書状」簗田家文書(福島県重要文化財)のうち 個人蔵・当館寄託
 盛氏が北条氏家臣の氏繁(康成)に対して鷹を贈ったことに対する礼状。

③「武田信玄書状写(「会津四家合考」所載)」簗田家文書(福島県重要文化財)のうち 個人蔵・当館寄託
 武田信玄が蘆名家臣の鵜浦氏に宛てた手紙で、内容から絵画一幅が贈られたことがわかる。

 



 中世の会津では、武家領主の蘆名氏が勢力を次第に伸ばし、とくに戦国時代の盛氏という人物の頃に最盛期を迎えます。北の伊達氏と同盟を結び、中通りの諸氏とともに、南の佐竹氏とは激しく争いました。さらに関東の北条氏や武田氏、上杉氏とも外交交渉を展開します。また盛氏は、「止々斎」という雅号を名乗って連歌・能楽や鷹狩りなどの文芸を好み、東国の絵師や医師たちとの交流があったことも知られています。

 この展示では、盛氏という人物像のポイントを押さえながら、その誕生から死去までを当館の収蔵する古文書や記録等によってたどります(展示資料は約7点)。盛氏の生年については、系図や記録類に記された没年齢(天正8年、1580年、60歳)から逆算して大永元年(1521)と推定されています。この通りならば、甲斐国の戦国武将として有名な武田信玄とは同年齢であり、今年(2021年)は奇しくも生誕から500年という節目の年に当たります。

 当館の春の企画展「会津の絵画」では、盛氏と交流のあった画僧雪村の作品を展示します。この機会に、ぜひ合わせてご覧ください。

 


 

開催概要

期 間  2021年4月20日(火)~6月20日(日)

会 場  総合展示室 中世

主 催  福島県立博物館

料 金  常設展料金でご覧になれます。

     大人・大学生280円(220円)  ※( )内は20名以上の団体

     高校生・小中学生 無料

 


 

関連行事

ポイント展「文芸を好んだ会津の戦国武将・蘆名盛氏」「奥羽再仕置430周年記念 蒲生氏郷軍、北へ」ミニ解説会 

講師 高橋充(当館学芸員)
日時 2021年5月23日(日)11:00~11:30 ※6月20日(日)11:00~11:30 へ延期となりました。
場所 講堂
申込 不要
定員 100名(先着順)
参加費 無料
内容 2つのポイント展の見どころを、展示を担当した学芸員が解説します。

 

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