猪苗代城絵図
江戸時代の会津藩には、若松城(鶴ヶ城)の他に、猪苗代城というもうひとつの城がありました。この城は、中世には丘陵部の弦峰と合わせて猪苗代氏の居城でしたが、豊臣秀吉による奥羽仕置の後、領内の支城のひとつに位置づけられました。蒲生氏・上杉氏・加藤氏の時代には有力な家臣が城代として配置され、丘陵の先端部に石垣等の技術を用いた近世城郭に姿を変えました。保科(松平)氏の時代にも、城代が置かれ、保科正之を祀る土津神社とともに、藩境の守りを固めていました。
今回展示する「猪苗代城絵図」は近代の写本ですが、書かれている人名等から蒲生氏(再蒲生氏)時代、江戸時代初期の状況を描いた絵図と推定されます。とくに加藤氏の時代に破却されて失われたとされる、武家屋敷や町場を囲む外堀・土塁や門が描かれており、元和偃武以前には、いわゆる惣構えの堅固な城郭であったようすがわかります。
〈展示資料〉
「若松領分 猪苗代城絵図」(福島県立図書館蔵)
開催概要 |
期 間 2023年6月21日(水)~2023年8月21日(月)
会 場 総合展示室 近世
主 催 福島県立博物館
料 金 常設展料金でご覧になれます。
大人・大学生280円(220円) ※( )内は20名以上の団体
高校生・小中学生 無料
※8月21日(月)は「県民の日」のため、常設展観覧料が無料です。