いいたてミュージアム展示の様子
東日本大震災後に飯舘村を支援してきた「いいたてまでいの会」のプロジェクトの一つ「いいたてミュージアム」は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、一時、全村避難を強いられた飯舘村の村民から丁寧にお話をうかがい、その方々の暮らしにまつわるモノを収集し、飯舘村の暮らしそのものの記憶を留めようとするプロジェクトです。
集まったモノたちによる展覧会は、広島、神戸、京都、浜松、静岡、東京などで開催され、飯舘村、福島の現状を発信し、福島を語る対話の場を作りました。
また、モノに優劣をつけない収集方法、聞き取ったエピソードの重視、コンパクトな展示は、ミュージアムのあり方の一つの指針ともなりました。
いいたてまでいの会の活動休止にともない、いいたてミュージアムで収集されたモノは2018年に福島県立博物館へ寄贈されました。
ここに展示されているモノたちは何気ない日常の一コマの片隅にありました。高価な美術品でも、古代の文化財でもありません。
それでも、多くの事をひそやかに、しかし力強く語っています。
みなさんのそばにもそんなモノたちがいるはずです。
大災害・大事故は、突然私たちの暮らしを奪い、愛おしい故郷の姿を変えてしまいます。だからこそその土地の暮らしの記憶を紡ぐことが大事であることを、今年も私たちは突き付けられました。
いいたてミュージアムは、どの土地のことでもあり、あなたのことでもあります。
このささやかな展示が、みなさんとみなさんが生まれ、暮らす土地のことを考えるきっかけになることを願っています。
主な展示資料:全ていいたてまでいの会寄贈・当館蔵
「放射線量計測記録 荒利喜」
「飯樋商店街チラシ 荒利喜」
「スズメ蜂の焼酎漬け 長正増夫」
「鉄屑 佐藤俊雄」
「山繭 佐藤俊雄」
など約20点
(左)「放射線量計測記録 荒利喜」 (右)「飯樋商店街チラシ 荒利喜」
(左)「スズメ蜂の焼酎漬け 長正増夫」 (右)「鉄屑 佐藤俊雄」
「山繭 佐藤俊雄」
開催概要 |
期 間 2024年2月3日(土)~2024年3月31日(日)
会 場 エントランスホール
主 催 福島県立博物館
料 金 無料でご覧になれます。
関連イベント |
名 称 美術講座「未来の記憶のために」
日 時 3月10日(日)13:30~15:00
会 場 雪国ものづくり広場 なんだべや
講 師 港千尋さん(写真家・著述家・多摩美術大学教授)
申 込 不要
内 容 地域に生きるひとりひとりの物語でできている「いいたてミュー
ジアム」。ミュージアムの機能や地域の記憶について「いいたて
ミュージアム」の発案者でもある港さんにお聞きします。
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