お知らせ

シュードノーチラス(南相馬市鹿島区産 白亜紀)

 

生きている化石として知られているオウムガイ類の現生種は、太平洋西部にのみ生息しています。ところが中生代ジュラ紀には、現在のヨーロッパや北アフリカ周辺に存在したテチス海ではオウムガイ類が繁栄していた一方、日本を含む太平洋西部では、オウムガイ類の化石はほとんど発見されませんでした。しかし、続く白亜紀の間に,太平洋西部でのオウムガイ類の化石記録が増加します。よって、ジュラ紀-白亜紀境界以降に、テチス海からオウムガイ類の流入が促進されるイベントが起きた可能性がありますが、太平洋西部ではこれまでに相馬中村層群から1例あった以外には、九頭竜層群(福井県)と山部層(大分県)から1例ずつの計2例しかこの時期のオウムガイ類化石が発見されておらず、詳しい研究ができませんでした。

 南相馬市に分布する相馬中村層群から新たにシュードノーチラスとパラセノセラスという2つの属のオウムガイ類が発見されました。これらの属はいずれも日本から初めての発見となります。以前から知られていた1科1属を含めて、3科3属のオウムガイ類化石が相馬中村層群から発見されたことは、太平洋西部のオウムガイ類の進化史を解明する大きな手がかりになります。

 このポイント展では、このうちシュードノーチラスの化石を紹介します。この化石は、日本の中生代オウムガイ類としては、最大級の標本です。貴重な化石をぜひご覧ください。

 

開催概要

期 間  2024年2月1日(木)~2024年3月1日(金)

会 場  エントランスホール

主 催  福島県立博物館

料 金  無料でご覧になれます。

 

 

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