松平容大夫人の白衣観音図

  

白衣観音図 松平鞆子筆

 

 細い輪郭線で描かれた繊細な観音様。顔を寄せて目を凝らすと、その線が文字で出来ていることが分かります。お顔と胸の装飾品以外は、衣のひだも光背もみな「南無妙法蓮華経」という七字の題目の連なりです。


 この白衣観音図は松平容大夫人・鞆子の作品です。松平容大(1869~1910)は会津藩主松平容保(1835~93)の実子で、戊辰戦争で会津が降伏・開城した翌年に生まれ、満1才の誕生日前に斗南藩知事に任命されました。しかし満2才の時廃藩置県となり下北半島から東京へと移住し、後に陸軍騎兵大尉、貴族院議員などをつとめました。


 鞆子(1873~1941)は石見浜田藩主(後に美作鶴田藩主)松平武聰の娘で容大に嫁ぎました。白衣観音図は鞆子から妹の光村藤子(1879~1945、光村印刷創業者・光村利藻夫人)に贈られたもので、平成30年度に御子孫から当館に御寄贈頂き、今回初公開することになりました。


 さて観音様は、何遍の題目で縁取られているでしょうか?答えは展示室で確かめてみてください。

 

開催概要

期 間  2019年6月29日(土)~8月30日(金)

会 場  常設展総合展示室「近・現代」

料 金  常設展料金でご覧になれます。

     大人・大学生270円(210円)  ※( )内は20名以上の団体

     高校生・小中学生 無料