桧枝岐の歌舞伎衣装
左:桧枝岐の歌舞伎衣装(打掛)、右:桧枝岐の歌舞伎衣装(祐経の羽織)
尾瀬の玄関口・桧枝岐村。標高900mを超えるこの村では稲作は行われず、人々は林業や出作りによる焼畑などで暮らしてきました。江戸に出かけた村人が近世に伝えたという桧枝岐歌舞伎は、毎年5月12日の愛宕神祭礼・8月18日の鎮守神祭礼の日に奉納されます。雪が消えれば山中の出作り小屋に移る人々にとって、中心地に村人みんなが暮らすのは雪に閉ざされる冬の時期だけ。出作り生活の前の春祭りと、一時的に集落に戻るお盆・夏祭りに行われる歌舞伎は、村人みんなが心待ちにし、みんなで顔を合わせる数少ない楽しみでした。
演じるのも村人で、短い夏には稽古はほとんどできません。長く厳しい冬だからこそ、じっくりと歌舞伎の稽古に時間を使うことができました。春の訪れを感じながら、華やかな衣装に身を包み、熱演を披露する人々の思いは、とりわけ大きかったことでしょう。
かやぶき屋根の「桧枝岐の歌舞伎舞台」は国の重要有形民俗文化財にも指定されています。今年の歌舞伎ももうすぐです。あなたも、桧枝岐歌舞伎を訪れてみませんか。
開催概要 |
期 間 2019年4月2日(火)~5月15日(水)
会 場 常設展部門展示室 民俗
料 金 常設展料金でご覧になれます。
大人・大学生270円(210円) ※( )内は20名以上の団体
高校生・小中学生 無料