漆が付着した編み布(三島町荒屋敷遺跡、縄文時代晩期) 漆塗り土器 鉢(三島町荒屋敷遺跡、縄文時代晩期)
漆塗り土器の文様(郡山市 町B遺跡、縄文時代後期) 漆塗り土偶(三島町荒屋敷遺跡、縄文時代晩期)
漆塗糸玉(三島町荒屋敷遺跡、縄文時代晩期) 有孔土器(石川町背戸B遺跡、縄文時代前期)
2018年3月の国文化審議会において三島町荒屋敷遺跡出土品(三島町蔵・当館寄託)が重要文化財に答申されました。本遺跡出土品は縄文時代晩期末から弥生時代に属し、低湿地の遺物包含層からは、土器や石器に加えて通常の遺跡では残りにくい有機質の遺物が多量に出土しています。中でも漆製品は、土器だけでなく土製品そして有機素材を用いた器物と漆塗工程を示す資料が知られ、縄文時代の多様な漆文化の存在を示しています。縄文時代晩期末の漆塗り資料は全国的にも貴重で弥生時代開始直前の列島における東西の文化交流を考える上で重要な遺跡です。
本展では、荒屋敷遺跡の漆製品を中心に、「縄文」と「会津」の2つの視点から県内出土漆器を取り上げ、漆塗り文化の系譜と広がり、そして会津地域における漆器の変遷を紹介します。
展示構成と主な展示資料
(1)縄文のうるしのうつわ
・石川町背戸B遺跡出土有孔土器(縄文時代前期)
・西会津町上小島遺跡出土有孔鍔付土器(縄文時代中期)
・いわき市番匠地遺跡出土土器・腕輪状木製品(縄文時代後晩期)
・三島町荒屋敷遺跡出土土器・漆塗装身具(縄文時代晩期)
(2)とる・ねる・もる―漆ぬりの考古学
・東京都東村山市下宅部遺跡出土ウルシ杭(縄文時代)
・三島町荒屋敷遺跡出土漆塗工程資料(縄文時代)
・郡山市町B遺跡出土漆容器(縄文時代)
(3)会津のうるしのうつわ
・会津美里町油田遺跡出土土器(弥生時代)
・会津若松市会津大塚山古墳出土漆塗竪櫛(古墳時代)
・会津坂下町陣ヶ峯遺跡出土炭化漆器類(平安時代)
・会津若松市城下町遺跡出土漆器(江戸時代)
開催概要 |
期 間 2018年8月4日(土)~2019年5月19日(日)
会 場 常設展部門展示室 考古
料 金 常設展料金でご覧になれます。
大人・大学生270円(210円) ※( )内は20名以上の団体
高校生・小中学生 無料