会津の修験―西会津町旧福寿院の宗教世界
近年では多発する震災や豪雨などの自然災害に加えて、過疎高齢化により失われる文化財も増えています。今回ご紹介する資料もそうした危機に直面していました。修験道とは山岳修行により獲得した力で加持祈祷などを行う宗教で、日本では中世以降に組織や霊場が整備されて各地で修験者が活躍しました。福寿院は江戸時代に小綱木村(現・西会津町)の修験者であった高橋家の号です。由緒では応永2年(1395)に本山派修験総本山の京都・聖護院から福寿院の名を下賜され、当主は代々修験者として活動しました。明治になると国は修験道を廃止しますが、同家では昭和初期まで地域の宗教活動の一端を担っていました。伝えられた仏像や法具は昭和62年(1987)に県の重要有形民俗文化財に指定されています。
しかしこうした貴重な文化財も、過疎高齢化により現地での継承が困難になってきました。豪雪地帯でもある地域で、古くから仏像を祀った祭壇や蔵造りの建物はいつ失われてもおかしくない状態となったため、当館では町や同家の方々と相談を重ねて2017年に全ての文化財を救出しました。今回当館では初めてのご披露となります。旧福寿院が営んだ宗教世界の一端をぜひご覧ください。
会津の修験チラシはこちら
開催概要 |
期間 2021年3月6日(土)~2021年4月18日(日)
会場 常設展部門展示室 歴史・美術
主催 福島県立博物館
料金 常設展料金でご覧になれます。
大人・大学生:280円(220円)※( )内は20名以上の団体、高校生・小中学生:無料
新型コロナウイルスの感染拡大状況により予定に変更が生じることがあります。 展示やイベントの最新状況については、ご来館前に電話でご確認いただくか当館webサイトをご覧ください。 |